バイオリスニング
バイオ・リスニング です。宣伝文句からも以前に紹介したマジックリスニングとなんか似たような印象を持った方も多いのでは。「どんなものなんだろう」という疑問と夢の度合いとしては両者とも負けてはいません。使ってみました。
- ずいぶん大きなパッケージにまとめられたキットにはこんなものが入っています:1)本体;2)マイク付きヘッドホン;3)電源(AC→DC)。それと接続用のケーブル類です。
- まずそのコンセプトですが、前述のマジックリスニングに近いもの、プラスアルファと理解していただければよろしいのではと思います。もう少しその趣旨を細かくいうと:
- 英語特有の主に子音などの高周波領域を強調した音源にする
- 低周波と高周波領域のあるリズムでの強調・減衰を行い、それによって脳の活性化をはかる
- 意図的に右耳への入力を強調して左脳へのインプットを向上し言語処理能力をはかる
- ヘッドホン付属のマイクからの自分の声を音源に重ねることで積極的に音に対する脳の活性化をはかり学習能力を強化
- 本体をみてみると電源スイッチ・ボリューム調整の他に4つのスイッチが付いています:
- 強調設定スイッチ:強調する周波数領域を2種類選べる
- 強調レベルスイッチ:強調する度合いを3種類選べる
- 音源選択スイッチ:音楽と言語を選べる
- 右耳強化スイッチ:オンオフです
- それらを使い方のパターンで選んで設定し聞くというやり方ですが、その選択パターンはマニュアルに例が載っています。とりあえずマニュアルに従いテレビの地上波放送の2カ国語の音源で試してみます。地上波アナログの2カ国語は音源としては決していいものではなく、BSデジタル/Hi-Vision、あるいはDVDなどに比べると英語はとても聞き取りにくいものです。
- 接続は基本的にはテレビやラジカセなどの音源のイヤホン出力から本体の入力へつなぐだけのシンプルなものです。そして本体に接続されたヘッドホンからの音を聞くということになります。
- 指定されたパターンで試してみると、周波数の強調レベルはかなりobviousではっきりとその部分が強調されているのが分かります。特に子音はかなり明確に聞こえます。当然聞き取りやすくなるのは確かです。BSデジタル/Hi-Visionを5.1chで聞くととても聞き取りやすくなりますが(音の分離がいいのと、センタースピーカーで中音域を拾っているから)、それよりもさらに強調度合いは強いようです。
- 右耳強化をオンにするとなんか少し位相をずらしたような感じの音が右側から入ってきます。
- ヘッドホンのマイクから発生すると(映画をリピートしてみました)、かなり自然な感じで自分の声が外から聞こえてきます。内耳からの自分の声も同時に聞いているため、録音した自分の声を聞くような恥ずかしさや違和感はありません。
- おわかりのように、この装置からの音は聞き取りに向いた「聞き取りやすい」音になっているのは確かです。ではそれを聞くことでリスニング能力が上がるということがどのくらい期待できるのか、というところが判断が難しいところです。初心者が子音を子音として認識するためのきっかけを作るという意味では役に立つかもしれません。マニュアルにあるような脳への刺激を強調することによる、私にはまだ見えていない効果もあるのかもしれませんが、短時間の使用では実感するには至っていません。私が既に聞き取りにおいて「そこそこ」のレベルにあることも一因かもしれません。
- 一番おもしろかったのが、マイクを利用して自分の声を音源に重ねて聞けるというところでした。客観的に自分の発音・アクセント・イントネーションが音源の直後にリピートすることで聞けるのでこれは気に入りました。verbalな面で難(変な癖や勘違い)のある人は一度試して、自分がどのくらい「変」か認識するのにとてもいい機能です。映画一本リピートしながら使ってみましたが、その意味とてもおもしろかったです。lip lazinessを時折意識的に強制するのにも退屈せずできそうです。